抗生物質で治らない膀胱炎の原因は便。大腸憩室炎だった

尿で満タンにした膀胱エコーで白い影
10年治らない膀胱炎の原因をたけしの健康の医学でやってました。
尿で満タンにした膀胱エコーで白い影。
横になって再度エコーをするとその影が動く。
膀胱の中を浮遊する粒状の遺物は便でした
膀胱の中を浮遊する粒状の遺物は便でした。

問題の患者の膀胱鏡画像は小さな浮遊物で濁っていた
健康な人の膀胱鏡画像は澄んでいて視界が開けている。
だが、問題の患者の膀胱鏡画像は小さな浮遊物で濁っていた。

反復する膀胱炎の原因は大腸憩室炎

大腸憩室炎は腸壁の一部が袋状に飛び出して便などが詰まって炎症が起きる病気。
この10年治らない膀胱炎の患者はS状結腸に憩室炎ができていた。
S状結腸の炎症が大腸の裏側から膀胱に癒着し穴が開き繋がり瘻の状態
そのS状結腸の炎症が大腸の裏側から膀胱に癒着し穴が開き繋がり瘻の状態になった。
尿道からおならが出るのは、大腸のガスが膀胱に入り尿とともに出るためだった。

便が絶え間なく膀胱内に入ってくる。
いくら抗生物質を飲んでも雑菌が繁殖。
膀胱炎を繰り返す、反復するというものだった。
恐ろしい状態です。

膀胱炎患者の数万人に1人の症状らしいです。
抗生物質で治らない膀胱炎、尿道からおならがでるなどは要注意です。
ただ、反復性、難治性など抗生物質で治らない膀胱炎はいっぱいありますので、泌尿器科医の先生と相談しましょう。

単なる腸炎は基本的に投薬治療(口から飲めないときのみ点滴)で入院適応は厳しいですが、腸憩室炎は入院適応の判断がしやすいです。

トリプルネガティブ早期乳癌のフェマーラは5年で中止していい

58歳の女性です。
5年前、乳癌で右乳房温存手術を受けました。
乳頭近くにできた1センチ大の浸潤癌で、ホルモン受容体はER10%未満、PgR陰性で、HER2も陰性でした。
術後、放射線治療を乳房全体に30回、乳頭部に追加5回の計35回実施。
ホルモン療法でフェマーラの内服をはじめました。
3年後、右乳頭部のしこりを自覚し、再度部分切除しましたが、病理検査の結果、がんは確認されませんでした。
現在フェマーラの内服を継続していますが、予定通り5年間で終了すると言われました。
再発転移が心配なので内服を続けたいのですが。

乳癌術後5年 ホルモン治療を続けたい

確かにホルモン治療は長く続けたほうが再発予防にいいかもしれないという考え方が出てきています。
しかし、全例に当てはまらないため継続するかどうかはタイプと再発リスクで考えるのがよいと思います。
乳癌の治療はホルモンに反応するタイプ(陽性)と反応しないタイプ(陰性)にわけられ、ホルモン陰性(ER,PgRが陰性)の人はホルモン治療の対象外となります。
ホルモン陰性の中でHER2も陰性のケースをトリプルネガティブといいます。
あなたの場合、ERがわずかに陽性ですが、タイプとしてはトリプルネガティブに近く、ホルモン反応性は低いタイプと思われます。 続きを読む

前立腺肥大の尿漏れ。尿道の内視鏡、前立腺エコーの画像

男性用尿漏れパッドなどの商品が出ている。
女性との違いは原因のひとつが出産ですが、男性の場合は加齢が原因が多い。
もうひとつの引き金がある。
福島県立医科大学泌尿器科教授小島先生。

前立腺肥大BPHが引き金の過活動膀胱

過活動膀胱(脳に関係。膀胱が勝手に収縮)
前立腺肥大症が原因で過活動膀胱になる人が50~75%もいる。
男性の場合尿道は膀胱の下で前立腺に挟まれている。
加齢で肥大すると膀胱と尿道を圧迫してしまう

前立腺エコー(超音波検査)の画像

前立腺エコー(超音波検査)の画像
通常は20ml、くるみ大
大きくなると、30ml、50ml、100mlに膨らむ
膀胱が圧迫。

尿道の内視鏡画像

尿道の内視鏡画像
前立腺が尿道を圧迫。
おしっこの出が悪くなる。
尿漏れというよりも出にくくなるのでは?

前立腺による尿漏れが起きる理由

切迫性尿失禁といち流性性尿失禁
前立腺が尿道や膀胱が圧迫。
すると圧迫によって膀胱のおしっこがたまったなと勘違いして過活動膀胱が起きる。
一方尿道や膀胱が圧迫されると出にくくなる。
すると膀胱が普段の力以上で出そうとする。
筋肉や神経が痛んで働かなくなって切迫性尿失禁になる。

さらに重症化すると、
尿道が詰まってしまって、膀胱に尿が溜まってしまう。
限界を超えてパンパンになると尿がちょろちょろ漏れ出す。
いち流性性尿失禁という状態になりちょろちょろ出る。

一リットル溜まると苦しくなって病院に運ばれてくる。
腎臓に負担がかかり腎不全になることもある。

頻尿の発見ポイント

排尿前 尿意切迫感がある、頻尿がある(正常は1日4~7回)
排尿中 尿の勢いが弱い
排尿後 残尿感がある

尿の回数が多く一回の量が少ないと頻尿の可能性がある。
排尿時間の正常は20~30秒。
一分かかると問題。

男性だと年齢とともに尿の切れが悪くなる。
出切れてない感覚がでるが、尿道内残尿という。
これ自身が前立腺肥大症の症状ではない。
チェックポイントを参考に。

良性の疾患なので急を要することはない。
だが稀に、脳血管障害、パーキンソン病が尿漏れの原因となることもあるので注意が必要。

男性の尿漏れの治療

治療方法には薬物療法と行動療法 膀胱訓練(排尿を我慢することで過剰な収縮を抑える)、生

活上の注意がある。
先に前立腺肥大症の治療を先するのが原則。
過活動膀胱もあれば続けて行う。

前立腺肥大症

α1遮断薬 前立腺の筋肉をゆるめておしっこを出やすくする
PDE5阻害薬 前立腺の筋肉をゆるめておしっこを出やすくする
5α還元酵素阻害薬 前立腺の大きさを小さくする薬

過活動膀胱

抗コリン薬 膀胱の収縮を防ぐ
β3作動薬 膀胱の筋肉を緩める

男性の場合は効きすぎると尿が出づらくなるので注意。

生活上の注意

前立腺肥大症

長時間座ることを避ける
下半身を冷やさない
刺激のある辛いものを食べない
アルコールや風邪薬には注意する(避けによって尿閉で救急病院でカテーテルは痛いので注意)

過活動膀胱

水分を取り過ぎない
カフェインアルコールに注意
便秘に気をつける

前立腺肥大症の手術

TURP 電気メスで削り取る
HoLEP レーザーでくりにく
PVP レーザーで前立腺を蒸発させる

他の治療がない場合は検討する。
男性の場合どうしても尿漏れは自身で悩む。
だが症状が強い方は悩んでないで病院に行きましょう。

胃の3分の2を切除の次は大腸を持ち上げて食道の通り道を再建

71歳の男性です。
2ヶ月前、胃カメラで食道がんが見つかり、T1bのステージ1と診断されました。
CT検査ではリンパ節転移はありません。
主治医から治療の選択肢として手術と化学放射線療法(放射線治療と抗がん剤治療を同時にする)を提示されました。
3年前、胃がんで胃の3分の2を切除しています。
このため手術で食道を切除すると胃ではなく大腸を持ち上げて食道の通り道を再建することになり、通常より難しい大手術になると説明を受けました。
手術と放射線療法では治療成績はどれぐらい違いますか?
大手術になっても手術したほうがいいのでしょうか?

一般的に第1期食道がんの5年生存率は手術の場合80%です

一方、化学放射線療法では90%が癌がいったん消えますが、3割は再発します。
再発してからも手術は可能なので再発後に手術した例も含めて過去の臨床試験では化学療法の4年生存率は80%ぐらいです。
手術と化学放射線療法の生存率は大きく変わらず、現時点ではどちらも標準治療と考えられます。

手術の利点

手術の利点は病巣と一緒にリンパ節を含む周囲の組織を切除して病理診断するので根治治療ができること、また正確なステージがわかることです。
しかし体への負担(侵襲)が大きい治療であり、合併症などのリスクがあります。
化学放射線療法は手術を回避することができますが、確実性は手術より劣ること、近接する心臓や肺への放射線による障害のリスクがあります。
主治医とよく相談し治療法を選択しましょう。

抗がん剤の副作用

放射線と併用することで毒性gあ強く出る場合がありますが、副作用を抑えるいい薬もあります。
うまく乗りきり治療を完遂することが肝要です。
平成28年9月13日火曜日の産経新聞生活欄より。

慢性痛。痛くてなにもできないから痛くても何かが出来たへ

慢性痛。痛くてなにもできないから痛くても何かが出来たへ
急性痛:体を守る反応のひとつ
慢性痛:急性痛の治療後も3~6ヶ月以上続く痛み

首肩手の痛みが40年以上続いた。
治らないのではないかと不安に。
痛みで引きこもりあまり動かなくなった。
不安な気持ちが続くと痛みも続きやすい。

慢性痛の原因は脳にある

痛みは脳で経験。当然不安と恐怖がでてくる。
脳が過敏になる。
もともとの状態がよくなっても痛みがなかなか取れない。
ずっと痛い痛いという。
原因がないのに、わからないのに関わらず痛い痛いという人は多い。

慢性痛 脳や心以外の原因は
社会の問題(家庭環境、家族、人間関係、職場の特殊な姿勢) 続きを読む

Tシャツ着て皮膚かぶれは顔料の前処理剤が原因

Tシャツ着て皮膚かぶれは顔料の前処理剤が原因
神奈川県茅ヶ崎市で行われたスタンドアップバドルボードの国際大会。
サーフボードの上にたってこいで進む。
選手やスタッフに配られたTシャツで皮膚かぶれが起こったそうです。

AM10時医務室にきたかた、皮膚がかゆい、赤くなっている。
Tシャツを着た30人がかぶれ、火傷。24人が病院で治療。
50歳男性1人が入院。
体がぬるぬるの状態だったそうです。

プリントするための用材が原因

Tシャツを着た30人がかぶれ、火傷。24人が病院で治療
作ったのは星美製作所(ホシミプリントワークス)。
プリント前に前処理剤を希釈したものをスプレー乾燥した後とるが取り忘れた。
顔料前処理剤を使うと発色がよくなる。
乾燥させると水が飛ぶので成分も飛ぶと思ってしまった。
顔料前処理剤を塗布した時内側に浸潤した部分があったか完全に乾燥していない部分があったか、原液が残ってしまったのが原因だそうです。

この顔料は有害性があるそうです。
現在この顔料前処理剤の情報を探しています。
→塩化ジデシルメチルアンモニウムだそうです。
製品名カチオンDDC-80(三洋化成工業株式会社製) 当社販売製品名:プレトリートメントBコンク
株式会社松井色素化学工業所のお詫びと原因結果の報告がありました。

http://www.msc-color.co.jp/uploads/2017/06/4f31d0fc76deba62d3aa503f05db9e95.pdf

当該Tシャツのプリント加工に前処理剤として使用された塩化ジデシルメチルアンモニウムが高濃度で残留した為起こったもの。
ちゃんと事前に第三者機関で安全性が証明されていたのですね。
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター。