男性用尿漏れパッドなどの商品が出ている。
女性との違いは原因のひとつが出産ですが、男性の場合は加齢が原因が多い。
もうひとつの引き金がある。
福島県立医科大学泌尿器科教授小島先生。
前立腺肥大BPHが引き金の過活動膀胱
過活動膀胱(脳に関係。膀胱が勝手に収縮)
前立腺肥大症が原因で過活動膀胱になる人が50~75%もいる。
男性の場合尿道は膀胱の下で前立腺に挟まれている。
加齢で肥大すると膀胱と尿道を圧迫してしまう
前立腺エコー(超音波検査)の画像

通常は20ml、くるみ大
大きくなると、30ml、50ml、100mlに膨らむ
膀胱が圧迫。
尿道の内視鏡画像

前立腺が尿道を圧迫。
おしっこの出が悪くなる。
尿漏れというよりも出にくくなるのでは?
前立腺による尿漏れが起きる理由

前立腺が尿道や膀胱が圧迫。
すると圧迫によって膀胱のおしっこがたまったなと勘違いして過活動膀胱が起きる。
一方尿道や膀胱が圧迫されると出にくくなる。
すると膀胱が普段の力以上で出そうとする。
筋肉や神経が痛んで働かなくなって切迫性尿失禁になる。
さらに重症化すると、
尿道が詰まってしまって、膀胱に尿が溜まってしまう。
限界を超えてパンパンになると尿がちょろちょろ漏れ出す。
いち流性性尿失禁という状態になりちょろちょろ出る。
一リットル溜まると苦しくなって病院に運ばれてくる。
腎臓に負担がかかり腎不全になることもある。
頻尿の発見ポイント
排尿前 尿意切迫感がある、頻尿がある(正常は1日4~7回)
排尿中 尿の勢いが弱い
排尿後 残尿感がある
尿の回数が多く一回の量が少ないと頻尿の可能性がある。
排尿時間の正常は20~30秒。
一分かかると問題。
男性だと年齢とともに尿の切れが悪くなる。
出切れてない感覚がでるが、尿道内残尿という。
これ自身が前立腺肥大症の症状ではない。
チェックポイントを参考に。
良性の疾患なので急を要することはない。
だが稀に、脳血管障害、パーキンソン病が尿漏れの原因となることもあるので注意が必要。
男性の尿漏れの治療
治療方法には薬物療法と行動療法 膀胱訓練(排尿を我慢することで過剰な収縮を抑える)、生
活上の注意がある。
先に前立腺肥大症の治療を先するのが原則。
過活動膀胱もあれば続けて行う。
前立腺肥大症
α1遮断薬 前立腺の筋肉をゆるめておしっこを出やすくする
PDE5阻害薬 前立腺の筋肉をゆるめておしっこを出やすくする
5α還元酵素阻害薬 前立腺の大きさを小さくする薬
過活動膀胱
抗コリン薬 膀胱の収縮を防ぐ
β3作動薬 膀胱の筋肉を緩める
男性の場合は効きすぎると尿が出づらくなるので注意。
生活上の注意
前立腺肥大症
長時間座ることを避ける
下半身を冷やさない
刺激のある辛いものを食べない
アルコールや風邪薬には注意する(避けによって尿閉で救急病院でカテーテルは痛いので注意)
過活動膀胱
水分を取り過ぎない
カフェインアルコールに注意
便秘に気をつける
前立腺肥大症の手術
TURP 電気メスで削り取る
HoLEP レーザーでくりにく
PVP レーザーで前立腺を蒸発させる
他の治療がない場合は検討する。
男性の場合どうしても尿漏れは自身で悩む。
だが症状が強い方は悩んでないで病院に行きましょう。