中学生で陰嚢がおおきくなっている原因は横紋筋肉腫

進学の時期に高校二年生
6月にお風呂で陰嚢がおおきくなっているのに気付いた。
自然に治るかなとおもっていたが9月には激痛が走り救急を受信。
子供に多い癌のひとつの横紋筋肉腫とわかった。
(横紋筋肉腫の主な発症部位は頭頚部25%、泌尿器生殖器22%、四肢18%だそうだ)

治療で精巣の機能が失われる可能性に備えて精子を凍結保存し治療に臨んだ。
当時は中学3年生。
中高一貫校コースなので進学の心配はなかったが、病院にいた同年代の患者は志望校から受け入れを断られたと悲しんでいた。
高校に進学してからも手術後の抗がん剤治療は続行。
留年を避けようと通院の時価帯を調節して遅刻や早退で出席日数を稼ぎ、テストを終えては病院に直行した。

治療で髪の毛が抜け、顔は青白くなった。
帽子をかぶって登校し、弁当の臭いで気分が悪くなったこともある。
治療は高校一年の冬に終わった。
髪の毛も元に戻り部活に入った。

がんの5年生存率は小児もAYA世代(思春期と若年成人)でものびている。
しかし急性リンパ性白血病では小児は86%なのに対し、
AYA世代は56%、
横紋筋肉腫では小児が67%で、
AYA世代は38%など比較的多い8種類のがんでAYA世代の生存率が低かった。

この世代に特化した臨床経験や診療ガイドラインが少ないことや、診断や治療の遅れが要因。
職場で立場が確立していない20代~30代の人はがん告知を受けると辞表を出してしまいがちだ。
治療のために休職当初から会社との連絡を密にするように促す。
ソーシャルワーカーが間に入ることもある。

今の時代治る病気であるがん。
そうでない場合もあるけど、人生を有意義に過ごしてほしい。
余命なのかそれとも治療なのかという問題。
医師が的確なアドバイスをすることが何よりも大事。

睾丸のがんで脳に転移、髄注で激しい頭痛やめまい

45歳の男性です。
半年前睾丸に違和感を覚えて病院へ受診。
悪性リンパ腫ホジキンリンパ腫びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の1期と診断されました。
腫瘍は左後腹膜にあり、大きさは10センチでした。
R-CHOP療法(分子標的薬リツキサン+抗がん剤のCHOP療法)6クールが近く終了予定です。
頑固な悪性リンパ腫の治療法の種類

悪性リンパ腫の脳転移の予防的治療はしたほうがいい

脳転移の可能性があると言われ、予防のために3クール目と同時に
「メソトレキセート+キロサイド+ステロイド剤」の髄注(脊髄腔への注入)を行いましたが、激しい頭痛やめまいなどがでました。
現在、PETで腫瘍はほぼ消失しています。
主治医から髄注4回を勧められていますが、このような強い副作用がでても治療を続けるべきですか。

後腹膜にある副腎や鼻、睾丸、乳房に腫瘍があったり腫瘍が大きかったりした場合、脳転移の可能性が高いです。
脳に転移してしまうと、抗がん剤が非常に効きにくいので予防的にメソトレキセートとキシロサイドの髄注を3週間ごとに4回行うのは標準的な治療です。
腫瘍が消えても、血液やリンパ中に微小ながん細胞が流れている可能性もあるのでできれば治療を続けた方がいいです。

脳にとって抗がん剤は異物ですから頭痛などが出るのはやむをえませんが、
一次的なものです。静脈注射で全身投与するより中枢神経に直接抗がん剤を高濃度で入れられる髄注の方が全身にかかわる副作用は少ないです。
ただ、食事ができず点滴に通院しなければならないなど生活に支障が出て中止する方もいます。
辛さはご本人しかわかりませんので主治医によく相談してください。

睾丸の違和感が続いています。腫瘍との関係はありますか?

この疾患に関係があればPETなどで陽性になったり悪化したりします。
PETが陰性で泌尿器科医も見たうえで違うというなら関係ないでしょう。

ヘルペスウイルスは風呂で移らないがタオルで移る

ヘルペスウイルスによる口唇ヘルペス。
ヘルペスウイルスは一度感染すると神経節などにすみ続ける。
免疫が働いているので症状はない。
風邪や疲労などで免疫力が落ちると活動を開始して水ぶくれなどが再発する。

人間に感染するヘルペスウイルスの種類

1★単純ヘルペスウイルス1型
2単純ヘルペスウイルス2型
3★水痘・帯状疱疹ヘルペス
★エプスタイン・バーウイルス
★サイトメガロウイルス
★ヒトヘルペスウイルス6
★ヒトヘルペスウイルス7
ヒトヘルペスウイルス8

★6種類のウイルスは大人になるまでに感染します。
1~3のウイルスが神経節に潜むウイルス。 続きを読む

すい臓がんは抗がん剤治療だけで完治しない

61才の女性です。
4ヶ月前にすい臓がんステージ3~4と診断されました。
膵頭部に2.5センチの腫瘍があり、周囲に浸潤していたため手術できないといわれ、抗がん剤治療を受けています。
当初の「ゲムシタビン+TS1」では効果が見られませんでしたが、
「ゲムシタビン+ナブパクリタキセル」に変更した後、腫瘍マーカーが正常化し、
次回のCT検査の結果がよければ手術を考えるといわれています。
手術が可能であれば行ったほうがいいのでしょうか?

すい臓がん3~4期、抗がん剤治療後の手術

診断の時点では他の臓器には転移がないものの、周囲の太い動脈に浸潤した「局所進行」膵臓がん、
とういう状況だったものと思われます。
抗がん剤がよく効いて周囲の動脈との間に隙間が得られれば、技術的には手術可能となる場合があります。
抗がん剤治療のみですい臓がんが完治することはまず無く、
いずれ効果が弱くなり、がんがお菊なる事がほとんどですので手術は完治を目指す唯一の治療法といえます。
もちろん、術後も抗がん剤治療の継続が必要な場合もあり、
その際に手術により体力が落ちすぎていると治療を再開できず最終的に予後が短くなるというリスクもあります。

今回のケースのように
抗がん剤治療により当初は手術ができないといわれたすい臓がんが手術できる状況まで改善するようになったのは最近のことです。
2~3年前から登場した「フォルフィリノックス療法」や「ゲムシタビン+ナブパクリタキセル療法」の効果によるものです。
ただ抗がん剤が非常によく効いた場合に手術に移行したほうが全体として長生きに繋がるかどうかという科学的データはまだなく、
ある程度挑戦的な治療ともいえます。