転移の無いリンパ節転移にアイソトープ治療(放射性ヨード)をする必要ない

54才の女性です。
9年前甲状腺乳頭癌で右葉切除と頚部リンパ節郭清手術を受けました。
右葉に5センチの腫瘍があり、病理分類はT4aN1aM0でした。
以来、経過観察を続けてきましたが、一ヶ月前、超音波検査で
リンパ節に7~8ミリの転移が1個見つかりました。
3ヵ月後の検診まで経過観察となりましたが何もしないのは不安です。
どのような検査が必要ですか?

甲状腺乳頭がん術後9年のリンパ節転移

まず初回治療後9年目に小さなリンパ節転移(1センチ以下1個)が見つかったことに大きな心配は要りません。
主治医の先生の指示通り定期的な経過観察を続けていくことで手遅れになるようなことは
ならないと考えます。甲状腺がんの大部分は進行がゆっくりしたおとなしいがんで
簡単にいろいろなところが飛び火しないことが特徴のひとつです。
その一方でご自身のように長期間経過観察10年以上の中で
再発やリンパ節転移が見つかるケースもありますが、
先ほどお話したようにごく小さな転移であればまず心配要りません。
当面経過を3ヶ月から半年に1回見れば十分だと思います。

8ミリの転移をすぐに手術で取るメリットは少なく、大きくなってくるかどうかを観察することが大事です。
また術後長期間経過していますのでCT、PETなどで甲状腺がんの遠隔転移先として
頻度の高い肺、骨などの転移の有無の確認は今後必須です。
また甲状腺組織が半分(左葉)残っていますが、腫瘍マーカー-Tg(サイログロブリン)値の推移は一応参考になります。

アイソトープ治療(放射性ヨードの内用治療)をする必要ない。
明らかな遠隔転移(肺・骨)がなければ今すぐに残っている甲状腺を切除の上でのヨード治療(I-131治療)に意義は無いと思います。

歯科医の給料が上がる転職

実は町中のビルの2階とかでやってる歯科医の年収は300万年代という話。
ちょっと前テレビでやってました。
医師免許をとったのに年収300万円しか無いという歯科医が結構いるそうです。

歯科医29年に1.4万人過剰になる/h2>

歯科医師が2029年に約14000人過剰になるという推計を厚生労働省がまとめた。
歯科学部転院の削減や国家試験の合格基準の引き上げを検討する。

歯科医師は14年で約10万人おり、20年間で約2万人増えた。
開業する歯科医師も多く診療所数は約6万9000で、5万件超えのコンビニよりも多いと指摘される。
競争激化から診療所の経営の厳しさを増す中、不必要な診療が行われたり治療が長引いたりする懸念がある。
厚労省は将来の歯科医師を把握するため、需給見通しを試算した。
現行の歯科医師数や国家試験の合格者数から将来の歯科医師数を推計。
少子高齢化を踏まえた推定患者数や歯科医師が1日に診る患者数などから必要となる歯科医師数を算出した。

2017年は3100人不足~15600人過剰
2029年600~1万8100人過剰
と幅が出た。
厚労省の有識者検討会が中間的な想定が精緻で妥当と結論づけたため、
最終的な推計は、
2017年で1万1300人
2029年で1万4100人過剰に案るとされた。

なんだ、もう今年で11300人も歯科医は過剰なんですね。

歯科医の給料が上がる方法

思うに年収を上げるには総合病院などに転職すればいいのではと思います。
老人ホームなどを複数持つ病院や、糖尿病外来を持つ総合病院など。
重宝されると思います。
年収1000万以上稼げるのではないでしょうか。
ただ忙しいと思います。
口腔外科。骨までのひどい患者や歯科診療所で困難な紹介。
病棟に訪問診察に、老人ホームへの訪問診療。
そこまでやらないと稼げないと思います。

乳がんホルモン受容体1%以上あれば陽性に分類

51才の女性です。
乳がんステージ1で右乳房温存手術を受けました。
腫瘍の大きさは0.7センチ、グレード3、リンパ節転移はありませんでした。
ホルモン受容体のER1~9%、PgR0%で、HER2陽性、Ki67の値は50%でした。
述語、化学療法のTC療法とハーセプチン、放射線治療を実施。
さらにホルモン治療を行うか主治医に聞かれました。
サブタイプはHER2型と思っていましたがERは低値でも要請なのでルミナルB型になるそうです。
ホルモン治療は必要でしょうか?

ER10%未満の乳がんのホルモン治療は?

乳がんのサブタイプはホルモン受容体陽性のルミナル型と陰性のHER2型やトリプルネガディブ型に大別されます。
以前はホルモン受容体10%未満は陰性とされホルモン治療の対象となりませんでしたが、
現在は1%以上あれば陽性に分類されます。

ただ、あなたの場合はPgRも陰性でホルモン陰性の通常のHER2型に近く、
化学療法とハーセプチンの併用で十分効果が期待できそうです。
そこにホルモン治療を追加するかどうかです。

一般にホルモン治療は抗がん剤治療に比べて副作用が軽く、体の負担が少ないので
ホルモン要請なら実施を検討しているのが実情です。
あなたのようにホルモン受容体が院生に近い状態ではその効果はあまり期待できません。
再発予防の補助療法として必須とはいえず、経済的に可能なら実際に1ヶ月ほど内服してみて副作用が気にならなければ
継続するようにしてもいいでしょう。

もう片方の乳がん発生予防になると聞きました。反対側にも乳がんができる確立は?

ホルモン治療は新たな乳がん発生に対して予防効果があることがわかっています。
ただ、実際にがんができるかはわかりません。
最近の統計では両側乳がんになった人は乳がん患者全体の7~8%です。

平成28年8月30日産経新聞のがん電話相談より。

オプジーボEGFR遺伝子変異が陽性の方には効果が弱い

60歳女性です。
1年半前、非小細胞がんの扁平上皮がん、リンパ節転移がありステージ3と診断されました。
上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異が陽性でした。
放射線治療30回と抗がん剤(シスプラチン+ビノレルビン)治療4クールを実施し、CT検査の結果、肺主要が半分に縮小。
7ヵ月後に脳転移で再発し、タルセバの内服を開始したところ、現在は脳腫瘍が消失しました。
タルセバは続行するように言われましたが、副作用の皮膚障害が強いので服用を中止あるいは減薬できませんか?
話題のオプジーポ(非小細胞肺がん治療に承認された免疫療法薬)はどうですか?
また、免疫を上げるための漢方薬の併用はできますか?

肺がん脳転移が消失、抗がん剤治療中止は可能?

中止すると再燃する可能性もありますし、量を減らせば効果が落ちる可能性もあります。
副作用がきつくどうしても続けられない場合は休薬することもありますが、頑張って継続するのが一般的です。
オプジーボは非常によく効く方もいますが、あなたのおうにEGFR遺伝子変異が陽性の方には効果が弱いとも言われています。

現在効果が出ている薬を続ける方が確実です。
また、漢方薬も薬なので肝臓に負担がかかる、間質性肺炎を引き起こすなど副作用が出る可能性があります。

もしかしたら私も腺癌なのでは?

入院中同室だった肺腺癌の肩が抗がん剤も放射線治療も私とまったく同じでした。
EGFR遺伝子変異陽性のタイプは多くの場合腺がんです。
腺がんか扁平上皮癌かは生検で採取した細胞の形状を顕微鏡で見て組織型を決めています。
生検組織で見るのは一部の細胞であり、他の部分には腺がんが含まれていることがあります。
組織型にはあまりこだわらず遺伝子変異の有無、タルセバの効果があることを重要視する方がいいと思います。

平成28年5月31日の産経新聞がん電話相談より。

PSA再発とは、治療後PSA値が最低値+2以上に上昇

71才の男性です。
8年前PSA値10.5、生検で12本中2本からがんが見つかり前立腺癌と診断されました。
グリーソンスコアは3+2=5でした。
放射線の高線量率源治療と体外照射を行い、PSA値は0.5まで下がりました。
3年前からPSA値が上昇し、25となった1年半前、MRIとPET検査をしましたが病巣は見つかりませんでした。
直近の数値は40です。
骨シンチグラフィーも異常ありません。
主治医からは生検やMRIを特に進められていませんが現状で治療は必要でしょうか?

放射線治療後のPSA再発は全身に効果あるホルモン治療が標準

低悪性度の早期がんが根治的放射線治療後に再発する可能性は低いと考えられています。
しかし、治療後PSA値が最低値+2以上に上昇するとPSA再発と定義され、今後前立腺癌の進行が予想されます。
PSA値が40と高いので画像検査ではわからない微小な転移のある可能性が高く、全身的な効果があるホルモン治療を選択することが標準的です。

ホルモン治療を始めるタイミング

PSA再発だけで、画像検査で転移が無い状況でのホルモン治療の開始には副作用の兼ね合いもあり議論があります。
高悪性度のがんやPSA値が倍になる時間が半年以内の場合には早期にホルモン治療を開始しますが、現実的にはベストのタイミングは捉えにくいものです。
定期検査以外にも異常を感じたら画像検査をおすすめします。
前立腺癌の転移は骨とリンパ節が多いのですが、一番困るのが背骨に転移して足が麻痺してしまうことです。

ホルモン治療の効果で長期延命できても寝たきりの生活を余儀なくされることもあります。
いきなり下肢麻痺などになることはまれですが、足が動きにくくなるなどの症状には注意してください。

平成28年8月23日産経新聞がん電話相談からより。