角膜移植しない角膜再生が可能になる細胞注射

コンタクトレンズなどの酸素不足や、レーシックなどの後遺症でもなる水疱性角膜症。
京都府立医大と同志社大は、目の角膜がにごって視力が落ちる、水疱性角膜症の患者3人の目に、
体外で培養した細胞を注射するという世界初の治療を行い視力の改善に成功したと発表した。

角膜移植しない角膜再生が可能になる細胞注射

通常は再生しない角膜の治療は移植などしかなく、ドナー待ちで何年何十年と待たなければならない。
角膜移植より患者の負担が少なく、高い治療効果が期待できるとしており、
2016年をめどに臨床試験を始めたいとしている。

水疱性角膜症は、角膜の最も内側で透明に保つ働きをしている角膜内皮細胞が外傷などによって減少し、角膜が濁る病気。
この細胞はほとんど再生しない為、角膜移植のほかに有効な治療法がなかった。

京都府立医大の木下茂教授らの研究グループは、人の角膜内皮細胞に化合物を加えて培養し、増やすことに成功。
臨床研究として、昨年12月から57歳~68歳の患者3人の角膜の内側にこの細胞を約100万個ずつ注射する治療を行った。

視力改善、角膜ドナー探し不要

その結果、眼鏡をかけて0.05~0.06だった視力が、1~3ヶ月後には0.1~0.9まで改善した。
炎症を抑えるステロイド剤を点眼しているが免疫抑制剤は不要という。
臨床研究では15年末までに計30人に治療を行い、安全性や効果を高める。

見えると見えないでは断然満足度が変わります。ドナー探し不要というのも魅力的です。
目の分野は人間の生きる力の源の分野なので発展してほしいですね。
だけれど、コンタクトレンズやレーシックなどで予備軍を増やされても困りますが。
平成26年3月30日の読売新聞のくらし欄より。