低リスク前立腺がんは手術か放射線治療どっちがいい?

公開日: : 最終更新日:2014/01/09 泌尿器科

低リスク前立腺がん、治療法の選択に迷う。
がん電話相談。産経新聞H26.1.7より。
がん研有明病院顧問(泌尿器科)

質問

57歳男性です。PSA値が5.4に上がってきた為生検を受けた所、
10本中3本から癌が見つかり、前立腺がんと診断されました。
グリーソンスコアは3+3=6、片側に限局していている低リスク前立腺がんだそうです。
主治医から「治療法は手術でも放射線でもいいですが、年齢と病状を考えると手術を勧めます」
といわれました。
治療法の選択について迷っています。

回答

健康な57歳の日本人の平均余命は25年ぐらいです。
放射線治療後、20年以上観察したデータはありませんので、
年齢の若い人は長い目で見て手術のほうがいいと思います。

難しいので手術の合併症の確立が高い

ただ、手術(前立腺全摘出術)は難易度が高く、尿失禁、ED(勃起障害)、出血、直腸損傷などの
合併症の可能性があります。
手術中に出血しやすい前立腺の静脈そうと尿道括約筋が接している為、
止血操作に難渋すると、括約筋損傷を起こす場合もあります。
その場合尿失禁で長期間、人によっては一生悩むこともあります。

EDに関しては勃起神経を温存するという術式もありますが、質の低下は否めません。
手術の場合、経験の多い先生にお願いすることです。

質問

放射線治療は?

回答

低リスクがんの放射線治療は小線源治療が適応です。
前立腺の中に放射線の小線源(ヨウ素125)を60~80個埋め込み、そこから出る放射線でがんを死滅させます。
2~3日の入院で治療は終了します。
尿失禁やEDの合併症は少ないですが、しばらくの間、排尿障害の副作用があります。

生検標本に見られるがんの大きさが小さければ無治療経過観察(PSA監視療法)も選択肢の一つです。
1~2年後に再度生検を行い、悪性度の進行あれば、そこで根治療法に踏み切りますが、
なければ引き続き経過を見ます。

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