COQ2遺伝子コエンザイムQ10大量服用多系統萎縮症リハビリ結核

脳の多系統萎縮症の遺伝子レベル治療法探る。
多系統萎縮症とは小脳、脳幹やその周辺などが萎縮して起きる。
脳の細胞には異常な物質が溜まる。
歩くときのふらつきや手の震え、自立神経障害などが起きる。
膨大な遺伝情報の解析で、患者の1割程度にコエンザイムq10を作る必要な遺伝子に変異があることがわかった。

多系統萎縮症の患者は国内12000人

小脳、脳幹が萎縮する原因不明の難病。
50歳代で発症することが多い。
オリーブ橋小脳萎縮症、主に歩くときふらつく、腕や手がうまく使えない、言葉が不明瞭になるなどの症状が出る。
線条体黒質変性症、筋肉が硬くなり動きが遅くなるなどの症状が出る。
シャイ・ドレーガー症候群、排尿障害やたちくらみ、汗が出ないなど自律神経に関わる症状が出る。の3つの総称だ。

症状の表れ方は違い、もともとは別の病気として考えられてきたが、脳の細胞に同じ物質がたまることがわかり、同じ病気として考えられるようになった。
治療は症状に応じ、小脳の動きを高める甲状腺刺激ホルモンに作用する薬やパーキンソン病の薬、自律神経の働きを調節する薬などを使う。

リハビリが重要

頭にヘッドギアをつけて杖や歩行器などを使って積極手気に歩いて筋力を維持する、腕や手首に重りをつける、1音1音をはっきり大きな声で発音する、下半身に血液が溜まって立ちくらみが起きないように足を締め付ける弾性ストッキングをはく、など状態に応じた生活の工夫とリハビリが大事です。

COQ2遺伝子に注目

症状をよい状態に保つためにリハビリなど必要だが根本的な治療法ではない。
そこで東京大など全国の21医療機関は協力して遺伝子レベルで原因を究明し治療法開発を目指す研究を進めている。
多系統萎縮症は遺伝しない病気ですが、ごくまれに家庭内で複数の患者がいる場合がある。
こうした家族で発症した人に共通の遺伝子の変異を絞り込みさらに国内外1887人の患者、健常者の遺伝子と比較した。
その結果浮かび上がったのはCOQ2という遺伝子です。

健康食品として売られているコエンザイムQ10を体内で作るのに必要な遺伝子でコエンザイムQ10は、細胞がエネルギーを生み出すときに必要になる物質で実際にCOQ2に変異のある患者の脳組織を調べると、この物質の量が低下していることがわかった。

COQ2遺伝子の1割の患者にはコエンザイムQ10大量服用も

ただし、多系統萎縮症には複数の遺伝子が関わっており、COQ2の変異があるのは患者の約1割程度。
東京大学ではこうした患者を対象にコエンザイムQ10の大量服用で効果を見る臨床研究を進める計画だ。

東京大学神経内科教授の辻さんは、膨大な遺伝子情報を解析できるようになったことで原因がわからず治療法もなかった多系統萎縮症の原因の一部が解明でき、治療法の開発の扉が開いた。実用化にむけて研究をさらに進めたいと話す。

東京医科歯科大神経内科教授の水澤さんたちは結核の薬「リファンピシン」を使った臨床研究に取り組んでいる。
動物実験ではこの薬が多系統萎縮症の患者の脳細胞に溜まる物質を溶かす効果が出ているためだ。
アメリカでは治験がはじまっており日本でも大規模な臨床研究が必要と話している。

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