肝炎 肝硬変 肝臓癌に進行の手術入院期間1週間治療法

肝炎から肝硬変、そして肝臓癌へと進行した場合、癌再発を防ぐ観点から専門医が最初に選択するのは、患部と周辺組織などを切除する外科手術になるケースが多い。
しかし切除すれば肝機能が維持できなくなるほどの状態の患者もいる。
こうした患者に対し、大阪府済生会吹田病院では、患部だけの高周波の熱で焼く、
ラジオ波治療と抗がん剤などと使う、肝動脈塞栓療法を組み合わせ、癌の再発抑制に取り組んでいる。

保険適用のラジオ波治療と肝動脈塞栓法の実際

ラジオ波治療では、電極つきの針を右脇付近から患部に挿し、高周波の熱で癌を壊死させる。
熱が届くのは針先周囲の3センチのため、それ以上大きな癌には向かない。
治療できる数も原則では3個以下だが、メスを入れるより患者への体への侵襲は少なく、保険適用になった2004年以降、急速に普及している。

肝動脈塞栓法は抗がん剤を投与した後、癌の周りの動脈をゼラチン製の詰め物でふさぎ、癌に酸素や栄養を送らないようにするもの。
大阪府済生会吹田病院では切除は外科医、ラジオ波治療は内科医、肝動脈塞栓法は主に放射線医が担当。
しかし、副院長で肝臓癌手術担当の寒原先生は、単独の治療法では一筋縄ではいかないケースも多く、異なる治療法を組み合わせて対処しているという。

実際の検査の風景、治療法は話し合い

10月下旬、67歳男性にラジオ波治療が行われた。
ベッドの脇の超音波モニターには、肝臓の右側中央付近に直径1.5センチの黒い影が映し出された。
「少し息を止めて」という医師の呼びかけに応じ、呼吸による画像のゆれが止まった瞬間、右脇腹から直径2mm弱の細い針が差し込まれた。
局所麻酔のため、患者とやりとりしながら治療は進められる。

ラジオ波発生装置の出力を上げ、針先の温度が癌を壊死させるのに十分とされる70度を示した。
患部をモニターで確認しながら6分ほどで黒い影は消滅した。
準備から治療後の処置を含めて約1時間で治療は終わった。

傷口は翌日にはほぼ塞がり、入院期間も1週間前後ですむという。
男性には今春、別の場所に直径8ミリの癌が見つかった。
肝機能が悪い為切除できず、大きさもラジオ波治療の対象ではなかったため、まず肝動脈閉塞療法を受けている。
1つの癌に対して肝動脈閉塞療法を行い、約一ヶ月の間を置いてラジオ波治療をする場合もある。
ラジオ波治療の希望があっても切除したほうが、再発のリスクを下げられる可能性が高いと判断すれば患者を交えて話し合いを行う。

こうした治療方針について、寒原先生は「医師の担当ごとに縄張りを設けず、治療の幅を広げる為日頃から意見交換をし連携を深めている」と強調する。

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