明細胞がんは抗がん剤が効かない性質。省略でもいい?

質問

45歳の女性です。
大きさ2センチの卵巣がんで両側卵巣と子宮を切除し、その周辺のリンパ節も切除しました。
臨床進行期診断でステージⅠa期、病理診断で明細胞癌と診断されました。
術後化学療法を勧められているのですが、「明細胞がんは抗がん剤が効きにくい」ということで迷っています。

回答

がんが原発卵巣から外に転移している場合は、術後化学療法が勧められます。
問題は、臨床進行期診断で、癌が卵巣に限局しⅠa期と診断された場合です。
50年くらい前には、Ⅰa期の卵巣がんの5年生存率は60%くらいが普通で、卵巣がんの経過はとても悪いと認識されていました。
当時は臨床進行期診断を確定する手術が系統的に行われていなかったので、
癌が腹膜に種をまいたように広がるⅢa期や、リンパ節に転移しているⅢc期でも見逃されて過小診断されていたと思います。

今回のようにしっかりした系統的卵巣がん手術で術後の進行期がⅠa期となると、その経過は良好で、手術のみでも90%以上の5年生存率が期待できます
Ⅰa期で術後化学療法をすべきか否かについては、婦人科腫瘍医の間では緊急に解決すべき研究テーマになっていて、
最近は術後化学療法を省略することが多いと思います。

質問

私の場合は省略していい?

回答 今回の場合は省略でいいと思います

明細胞がんは抗がん剤が効かない性質のため、日本ではⅠa期には行わないことが多いです。
ところが、日本の腫瘍医が参考にする欧米のガイドラインでは、明細胞がんは再発した場合の予後が不良なため、
再発予防を熱心に行うということで、化学療法が勧められています。
日本では全卵巣がんの25%が明細胞がんで、5%以下の欧米と比較して、日本の婦人科腫瘍医は多くの治療経験があります。
そこで今回の場合は省略でいいと思います。

平成26年11月18日の癌電話相談より。
今回の回答はがん有明病院の婦人科の顧問、瀧澤憲先生があたりました。

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