肺腺癌は抗がん剤2剤併用療法を4クール、PD1は臨床試験中

68歳の男性です。
1年前、肺腺癌ステージⅢaと診断されました。
3か月後、右肺の下葉切除とリンパ節郭清術を行いました。
術後2か月前から、抗がん剤のビノレルビンとシスプラチンの2剤併用療法を4クール行いましたが、
間質性肺炎が見つかったため減量して行いました。
現在、毎月1回の血液検査とCTで様子を見ています。

周囲に再発した方が多いので心配です。
再発予防のために治療など、今すべきことがあったら教えてください。

回答 肺腺癌の術後の抗がん剤治療で再発が心配

手術をされた方は皆さん、再発する可能性があり、再発を心配されます。
再発をいかに抑えるかを考える必要があります。

再発するということは目に見えないがんが残っている可能性があるということであり、
潜んでいるがんを抑えるために手術後に抗がん剤を追加します。
あなたの場合は手術後すでに4クールの抗がん剤治療を受けられていますので、
効果的な再発予防のための治療をすでに受けられています。
これ以上抗がん剤治療を継続することはお勧めしません。
体に負担ばかりかかってしまい、効果も不明だからです。
後は慎重に経過観察を行っていくことが一般的な考え方です。

質問 免疫療法は?

再発予防のために例えば免疫療法のPD1はどうでしょうか。

回答 術後PD1は臨床試験中

PD1は注目されていますが、手術後の再発予防に有効かどうかは、これからの臨床試験で確認される段階です。
結果が出るのは数年先になります。
また、免疫療法といっても、薬は免疫関連の副作用もあり、効果が見えない現時点ではリスクのほうが心配です。
再発しているかが不明である状態で治療するのではなく、再発した時にしっかりした治療をすることをお勧めします。

産経新聞平成27年9月8日生活欄がん電話相談より。
回答にはがん研有明病院の西尾呼吸器内科部長があたりました。

関連記事

no image

子宮卵巣で術後化学療法をする低分化型や漿液性腺癌 4センチ以上 リンパ管 毛細血管

61歳女性です。 子宮体がんを腹腔鏡で

記事を読む

no image

がんの分子標的治療薬でニキビ、水疱、ざ瘡、乾燥性皮膚炎、爪囲炎で痛い

がんの分子標的治療薬に皮膚障害の副作用。

記事を読む

no image

前立せんがん全摘出後の尿漏れは肛門を締める尿を中断する訓練

62才の男性です。 前立せんがん全摘出

記事を読む

no image

セミノーマ、後腹膜リンパ節切除手術は必要?

質問 精巣腫瘍、術後化学療法後の治療法

記事を読む

no image

多発性骨髄腫でベルケイドを続ける?皮下注射の方が効果が長い

質問 多発性骨髄腫でベルケイドを続けてい

記事を読む

no image

寛解導入化学療法2クールを卵巣がん漿液性腺癌Ⅰa期

質問 抗がん剤治療2クールは適正?

記事を読む

no image

膵癌からの転移が手術できない理由は?

質問 70歳女性です。 初期の膵

記事を読む

no image

乳癌浸潤5ミリ以下の4ミリは術後化学療法しなくていい

53才の女性です。 2か月半前に乳がん

記事を読む

no image

癌で残った甲状腺を摘出(補完全摘)する意味

甲状腺濾胞癌の治療法です。 質問

記事を読む

no image

首のしこりで悪性リンパ腫非ホジキンリンパ腫びまん性大細胞型B細胞リンパ腫

67歳女性です。 1か月半前に頸部、首

記事を読む

結核はレントゲン画像に5円玉の空洞病が特徴
結核の発病と診断、検査と治療、発病予防対策

結核菌保有人数は推定2000万人。 感染した人1割が発病すると考えら

認知機能の軽度障害の特徴
統合失調症の女子高生JK16歳の症状とは?

統合失調症は精神疾患の一つです。陰性と陽性の症状があります。 陽

no image
卵巣がん1年未満の多発転移では抗がん剤治療も効果なく手術も困難

48歳の女性です。 1年前卵巣がんステージ4と診断されました。 肝

no image
がん細胞の増殖能力を示すKi67値が低いと抗がん剤は不要?

28歳の女性です。 左乳房に最大3センチの腫瘍が4つ見つかり、浸潤性

no image
前がん病変の大きさは10ミリ近くになると早期の肺がんの可能性

54才女性です。 1年半前、胸部レントゲンで肺に影があり造影ctを受

→もっと見る

PAGE TOP ↑