癌で残った甲状腺を摘出(補完全摘)する意味

公開日: : 最終更新日:2014/03/29 がん電話相談から 過去ログデータ

甲状腺濾胞癌の治療法です。

質問 甲状腺濾胞癌の治療法は?

51歳女性です。
2年前、頚部に腫脹が現れ、経過を見ていました。
4ヶ月前、甲状腺の左葉に陰影があり、甲状腺左葉切除術を行いました。
腫瘍の大きさは2.6センチ、癌は取りきれたそうです。
術中病理検査の結果、濾胞癌とわかり、担当の先生から、
「濾胞癌は転移しやすいので全摘した方がいい」といわれました。
リンパ節や他の臓器に転移はありませんでした。

回答 残った甲状腺を摘出(補完全摘)する意味

術後の病理検査で濾胞癌と判明した場合に、残った甲状腺を摘出(補完全摘)する意味は、残った甲状腺がんの再発を防ぐこと、放射線ヨードを利用した遠隔転移巣の検索、
内用療法を目的としています。

リンパ節転移を来しやすい乳頭がん(甲状腺がんの役90%)に比べ、
濾胞癌(同数%)は肺や骨などの多臓器への転移の有無が予後を左右することが多いです。
また、転移を来した場合は手術治療が困難なことが多いため、遠隔転移のリスクが高い濾胞癌と
判断された場合、補完全摘をお勧めする場合があります。

放射性ヨードを用いた検査、治療を行うためには、甲状腺が残っているとよい治療効果が得られません。
濾胞癌と病理診断がついた場合、年齢や術前・術後の所見と合わせて総合的にリスクが高いと判断されれば、
一般的に補完全摘術が薦められます。
何らかのリスク因子があったのではと思います。

質問 合併症が心配です

合併症が心配です。

回答 甲状腺ホルモン

甲状腺を全摘することによる合併症は術後、
甲状腺ホルモン補充を一生続ける必要があること、
また手術による声の変化やカルシウム補充の可能性があることですが、
手術の合併症は専門の医師が行うことでおおむね避けられると思います。
甲状腺ホルモン補充は安定したお薬での内服を続けていれば心配ありません。

回答には癌研有明病院の戸田先生があたりました。
産経新聞のがん電話質問よりの記事です。

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