子宮頸がんで25回の外照射のみだと根治できない
公開日:
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最終更新日:2014/05/01
がん電話相談から 過去ログデータ
質問 子宮頸がんで25回の外照射のみだとどうなる?
70歳の妻は5ヶ月前、子宮頸がんステージⅢbと診断されました。
がんの大きさは7センチ、放射線療法の外照射を16回行いました。(25回照射予定)
医師からは内照射を勧められたのですが、長時間同じ体勢で居ることが困難なため、外照射を選択しました。
25回終了後、範囲を狭くして強めの外照射を行うことを勧められています。
25回の外照射のみで治療を終えた場合、どうなるのでしょうか?
回答 根治できない
大変残念ですが、外照射の25回のみでは根治させることは出来ないと思います。
子宮頸がんが肉眼で見えるぐらいになると、Ⅰ期で5~25%、Ⅱ期で15~30%、Ⅲ期で25~50%の確率で骨盤リンパ節に転移します。
そこで、腔内照射に加えて、骨盤腔全体を外から照射することが1930年代から始まりました。(マンンチェスター法)
以後、現在に至るまで、適切な外照射と腔内照射の組み合わせで治療することが標準化されました。
今回は腔内照射ができなかったため、担当医は照射野を子宮病巣に絞って外照射を追加したいのだと思います。
既に子宮外の小腸に多くの線量がかかっていますので、子宮の外にはなるべく放射線がかからないように照射目標を絞り込んで追加照射するのだと思います。
(耐容線量を超えると小腸に狭窄や穿孔を起こす危険がある)
質問 追加照射を行うとメリットは?
追加照射を行うとメリットはありますか?
回答 やらないよりましだが、内服治療を続けるのがいい
やらないよりはましですが、腔内照射ができない場合、子宮頸がんを根治させることは難しいと思います。
照射野を絞って追加照射した後は内服の抗がん剤(TS-1)などで、治療を続けるのがいいでしょう。
がんはいずれ再発し、膀胱や直腸を障害して、尿や便が漏れるという事態も起こるでしょう。人工肛門増設や留置カテーテルなどが必要になると思います。
平成26年4月22日のがん電話相談から。
子宮頸がんの放射線治療は、外照射だけでは根治できない、内照射が必要とわかりましたね。
無理に体勢が維持的ないからと言って治療方法を辞めるよりかは、どうせするなら最善の治療法を選択すべきということだと思います。
がんの治療は体に負担をかけるので、副作用が大きい為、一度するともう一度するというのはできないですしね。
長時間同じ体勢で居ることが困難ならば、もう少し方法を検討すべきだったという感じがする記事でした。
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