子宮全摘出、子宮切除後にHPVが陽性になることはよくあること

公開日: : 最終更新日:2014/10/30 がん電話相談から 過去ログデータ

高齢者の子宮頚部前がん病変、全摘術後もHPV陽性。

質問

87歳の女性です。
子宮頸がん検診でヒトパピローマウイルス(HPV)に感染していて、細胞診でも前癌病変を疑うという結果が出て、子宮頚部円錐切除術を受けました。
ところが取りきれずに残ってしまい、術後の生検で、「異形成を疑う」と言われ、がんになるのが心配で、子宮全摘出を受けました。
それなのに全摘術後の生検でもHPVが陽性でした。
どういうことなのでしょう。

回答

患者さんにも現場の産婦人科医にも混乱しやすいテーマです。
87才という高齢ですが、子宮頚部前がん病変や子宮頸がんの原因である
HPVにいつ感染したのでしょう。
一般に50代~60代の閉経以降にHPVに感染したというより、20代~30代の生成熟期に感染したと思われます。

50年以上潜伏感染をしてきたHPVが高齢化に伴う免疫力の低下によって、子宮頚部の癌化を進めたのだと思われます。
高齢者では子宮頚部も小さくなり、子宮頚部円錐切除術の実施は難しいのです。
しっかり切除しようとすると、切り過ぎによる出血多量、手術後治癒不良など合併症を起こしやすく、反対に不十分な切除だと「肝心な病巣を取り残してしまう」などが起こりやすいのです。
例外的な状況以外は診断目的でも治療目的でも円錐切除は行うべきではありません。

今回の患者さんではHPVの有無ではなく、細胞学的に、あるいは組織学的に癌が証明されるまで、半年ごとに検診を受けるか、はじめから子宮全摘術を行うべきでした。

質問

これからどうすればいいですか?

回答

子宮切除後にHPVが陽性になることはよくあることです。
あわてることなく、半年に1度の検診を続け、細胞診、組織診で癌が出てくるまで待機します。
もし出てきたら放射線治療の腔内照射をすべきだと思います。

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