1期食道がんの5年生存率は手術の場合80%

公開日: : 最終更新日:2016/11/14 がん電話相談から 過去ログデータ

71歳の男性です。
2ヶ月前、胃カメラで食道がんが見つかりT1bのステージ1と診断されました。
CTではリンパ節転移はありません。
主治医から治療の選択肢として手術と化学放射線療法(放射線治療と抗がん剤の併用)を提示されました。
3年前、胃がんで意の3分の2切除しています。
このため手術で食道を切除すると、胃ではなく大腸を持ち上げて食事の通り道を再建することになり、通常より難しい大手術になると説明を受けました。
手術と化学放射線療法では治療成績はどのくらい違いますか?
大手術になっても手術したほうがいいのでしょうか?

胃がん術後に発見された食道がん1期

一般的に1期食道がんの5年生存率は手術の場合80%です。
一方、化学放射線療法では9割の人はがんがいったん消えますが3割が再発します。
再発してからも手術は可能なので再発後に手術した例も含めて過去の臨床試験では化学放射線療法の4年生存率は80%ぐらいです。
手術と放射線療法の生存率は大きく変わらず、現時点ではどちらも標準治療と考えられます。

手術の利点は、病巣と一緒にリンパ節を含む周囲の組織を切除して病理診断するので根本治療ができること、また正確なステージがわかることです。
しかし体への負担(侵襲)が大きい治療であり、合併症などのリスクがあります。
化学放射線療法は手術を回避することができますが、確実性は手術よりも劣ること、
近接する心臓や肺への放射線による障害のリスクがあります。
主治医とよく相談の上、治療法を選択しましょう。

抗がん剤の副作用は放射線と併用することで毒性が強く出る場合があります。
副作用を抑えるいい薬もあります。
うまく乗り切り、治療を完遂することが肝要です。

平成28年9月13日の産経新聞生活欄、がん電話相談より。
回答にはがん有明病院の渡邊消化器外科食道外科部長があたりました。

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