61才の女性です。
4ヶ月前にすい臓がんステージ3~4と診断されました。
膵頭部に2.5センチの腫瘍があり、周囲に浸潤していたため手術できないといわれ、抗がん剤治療を受けています。
当初の「ゲムシタビン+TS1」では効果が見られませんでしたが、
「ゲムシタビン+ナブパクリタキセル」に変更した後、腫瘍マーカーが正常化し、
次回のCT検査の結果がよければ手術を考えるといわれています。
手術が可能であれば行ったほうがいいのでしょうか?
すい臓がん3~4期、抗がん剤治療後の手術
診断の時点では他の臓器には転移がないものの、周囲の太い動脈に浸潤した「局所進行」膵臓がん、
とういう状況だったものと思われます。
抗がん剤がよく効いて周囲の動脈との間に隙間が得られれば、技術的には手術可能となる場合があります。
抗がん剤治療のみですい臓がんが完治することはまず無く、
いずれ効果が弱くなり、がんがお菊なる事がほとんどですので手術は完治を目指す唯一の治療法といえます。
もちろん、術後も抗がん剤治療の継続が必要な場合もあり、
その際に手術により体力が落ちすぎていると治療を再開できず最終的に予後が短くなるというリスクもあります。
今回のケースのように
抗がん剤治療により当初は手術ができないといわれたすい臓がんが手術できる状況まで改善するようになったのは最近のことです。
2~3年前から登場した「フォルフィリノックス療法」や「ゲムシタビン+ナブパクリタキセル療法」の効果によるものです。
ただ抗がん剤が非常によく効いた場合に手術に移行したほうが全体として長生きに繋がるかどうかという科学的データはまだなく、
ある程度挑戦的な治療ともいえます。