原発性マクログロブリン血症の貧血-Hb値10未満,血小板減少-10万未満,寝汗,体重減少,リンパ節腫大,脾腫
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最終更新日:2019/08/21
がん電話相談から 過去ログデータ
80歳の男性です。
数年前から人間ドッグで貧血傾向に有り、
4ヶ月前、ヘモグロビン8.8g/dlで造影CTと内視鏡検査を受けましたが異常は診られず骨髄穿刺を行いました。
免疫グロブリンIgMは1375mg/dlで原発性マクログロブリン血症と診断されました。
直近の検査ではHb値8.9、血小板数43万マイクロリットルです。
主治医から抗癌剤の治療を勧められていますが治療を始めたほうがいいのでしょうか?
原発性マクログロブリン血症の治療開始時期は?
原発性マクログロブリン血症は悪性リンパ腫の一種です。
IgMが3000以上になると血液の粘り気が強くなる過粘稠症候群が起こりやすくなります。
しかし初期の頃はあまり症状がありません。
貧血(Hb値10未満)、血小板減少(10万未満)、寝汗、体重減少、リンパ節腫大、脾腫(脾臓の腫大)など疾患に関連した症状が出てきたら治療を開始します。
あなたの場合、Hb値が10を切っていますので治療の対象になります。
ただしこれは骨髄中に腫瘍があってのことなのか、溶血による貧血なのかを調べた上で治療するかどうか決めたほうがいいでしょう。
原発性マクログロブリン血症にはどのような抗癌剤がありますか?治療効果は?
抗癌剤1種類を使う治療法と、複数使う治療法があり、代表的なものは「リツキサン+トレアキシン」併用療法です。
原発性マクログロブリン血症は治療しない人も合わせると、平均的な予後は5年以上だと言われています。
「リツキサン+トレアキシン」治療の奏効率は約95%で再発せずに生存する期間の中央値(無増悪生存期間中央値)は69.5ヶ月です。
ただしこれは臨床試験の結果でここの患者さんに当てはまるわけではありません。
産経新聞平成30年2月27日の生活覧、癌電話相談よりです。
血小板減少症の原因がピロリ菌の可能性もある。
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