子宮頸がん全摘出術、再発SCC増加、化学療法?リンパ節転移なし
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がん電話相談から 過去ログデータ
質問
33歳の女性です。
1年前子宮頸がんステージ1B期で、広汎子宮全摘術を受けました。
扁平上皮癌で、リンパ節への転移はありませんでした。
腫瘍マーカーSCCが、術後半年は1.2で経過、術後9ヶ月で2.1、10ヶ月で2.7、11ヶ月で2.9まで上昇してきました。
再発を疑われ、CTとMRI検査を行いましたが、陰性でした。
担当医からはこのままSCCが上がるようなら再発の可能性が高いので化学療法を勧めますといわれました。
回答
SCCは扁平上皮癌関連抗原(タンパク質)で、子宮頚部扁平上皮癌の腫瘍マーカーです。
手術後、SCCが連続的に増加すれば再発が疑われます。
しかし、SCCは扁平上皮に関連した抗原なので子宮頸がんの再発以外でも皮膚や上気道、気管支の病気で増加します。
具体的には、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬から単なる皮膚の失神、そして気管支炎、
気管支拡張症、喉風邪でも増加します。
猛暑の夏にひどい汗疹になったそうですが、SCC増加の原因かもしれません。
治って4週間ぐらいしてからまた再検査する事が望ましいです。
質問
子宮頸がん再発だった場合は?
回答
腫瘍マーカーSCCの増加だけで化学療法を開始するのは不適切です。
子宮頸がんは放射線が有効ながんですから、再発部位を特定する事が大切です。
骨盤内再発なら放射線治療が最適な治療の選択肢です。
最近は画像検査で再発部位を特定してから一番適切な治療を開始するのが一般的になっています。
化学療法の開始が多少遅れる事は全体の治療経過に不利益は与えないという事がほぼ証明されています。
33歳で癌で手術が成功したようですが、今後はやはり気になると思います。
出来る限りの事はしておきたいと思うのが普通です。
私の知り合いで前立腺癌術後40年再発がない人もいるので(高齢なので消化管出血で精査後癌ではない)早期発見で手術が終わればまた再発してというふうではないようですね。安心できます。
がん研有明病院顧問婦人科瀧澤先生
平成25年11月12日産経新聞 がん電話相談より
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