背中の痛みで甲状腺機能亢進症で甲状腺がん TSH

66歳の女性です。
3年前背中の痛みで整形外科を受診。
背部圧迫骨折が2箇所ありました。
原発性甲状腺機能亢進症によるものでした。
1年前、副甲状腺摘出術を行う術前検査で甲状腺がんも見つかり、副甲状腺と直径0.7センチの甲状腺がんの摘出術を行い、すべてとりきれたそうです。

術後の病理検査の結果、主治医から「乳頭がんで、リンパ節にいくつもの転移がありますが、半年に1回の経過観察で大丈夫です」と言われました。
リンパ節に沢山転移があるのに治療しなくてもいいのでしょうか?

回答 低危険度乳頭がんは再発転移はない

甲状腺乳頭がんのリンパ節転移に関しては術前の超音波検査で分からなくて手術後の病理検査で判明するような微小なリンパ節転移の有無は、基本的に甲状腺がんの予後を左右しないことが分かっています。
乳頭がんの一部には術前にさわって分かるようなおおきな腫瘍やリンパ節転移を伴うもの、また肺や胃などへの遠隔転移を伴うものがあり、これらの高危険度乳頭がんに対しては追加治療や慎重な経過観察が必要です。

ご自身の場合は低危険度乳頭がんと考えられ、再発転移の心配はまずないと考えます。
従って先生が言われるとおり半年~1年ごとの経過観察で十分と思います。

質問 TSHが上昇している

甲状腺刺激ホルモンのTSH値が上がっているのですが。

回答 甲状腺がん術後リンパ節転移の治療は?

TSHの分泌量が増加するということは
血液中の甲状腺ホルモンが不足し、甲状腺機能が低下している可能性を示唆しています。
甲状腺ホルモンの補充をきちんとする必要があります。
再発転移のリスクが高いと思われる高危険度乳頭がんの術後では、TSHを低く抑制する治療がありますが
、ご自身オン場合ではTSHを低く抑えることでえられるメリット(再発転移のリスクを下げる)はないと思います。

回答には癌有明病院の戸田頭頚科副医長があたりました。
産経新聞平成27年5月19日火曜日がん電話相談からよりです。