耳管狭窄症という病気の診断と治療

耳鳴り・耳詰まりが治らない。
48歳男性、2年前から「キーン」という耳鳴りや耳が詰まった感じがし、耳鼻咽喉科で耳管狭窄症と診断されました。
薬を飲んでいますがよくなりません。
酷いときは体がふらついたり、日常生活に支障が出ます。
手術など根本的な治療法はないのでしょうか?
私の父も鳴り止まない耳鳴りに悩んでいます。

耳管狭窄症とは、のどと耳をつなぐ耳管と呼ばれる約3.5センチの管に異常が生じ、外側と内側の圧力を調節できなくなる病気です。
唾を飲んだり、あくびをしたりすると通常は耳管が瞬間的に開きます。
耳管狭窄症では耳管が開かず、内側の圧力が大気圧より低くなり、音がくぐもって聞こえます。
酷くなると中耳に水がたまり、さらに聞こえが悪くなります。
めまいやふらつきを伴うことがあります。

どんな人が耳管狭窄症になりやすい?

年代別では小学校低学年までの児童や高齢者です。
かぜやアレルギー性鼻炎などで、のどに炎症ができるとなりやすいです。
たばこもよくありません。
鼻をすすると、鼓膜が奥に引っ込まれ、耳管内の圧力が下がりやすくなるのでやめましょう。

耳管狭窄症の診断方法

鼓膜の動きを測る検査をすれば、耳管狭窄症かどうかがわかります。
ティンパノグラム、ティンパノメトリー、チンパノメトリーなどと呼ばれる検査です。
保険点数は340点。
耳詰まりやめまいの症状は、耳管がひらきっぱなしになる
「耳管開放症」でもみられ、狭窄症と併せ持っている人もいるので注意が必要です。

耳管狭窄症の治療方法

のどや鼻の粘膜を修復させる作用の飲み薬や、
耳へ強制的に空気を送り込む耳管通気療法があります。

急に悪くなった場合は鼓膜を切って溜まった水を抜きます。
それでも治らないとシリコン製のチューブを鼓膜に入れる手術も選択肢となります。
人工的に空気が通る穴を開けるのです。
耳管内チューブ留置術1420点の保険診療です。
子供以外は外来で可能です。