高コレステロール動脈硬化の原因は甲状腺ホルモンの不足が1割

公開日: : 循環器内科

甲状腺は脂質異常症の原因にも。
コレステロールが高くなる原因として甲状腺ホルモンの不足が考えられます。
甲状腺の薬を増やし、コレステロールを下げる薬をやめてみましょう。

慢性甲状腺炎で高コレステロールで薬飲んでました

千葉県松戸市の主婦65歳は、今年4月東京湯島にある東京医科歯科大病院で、
糖尿病内分泌代謝内科特任教授の橋本先生からそう告げられて驚いた。
持病の脂質異常症と甲状腺機能低下症に関係があるとはおもっても見なかったから。

主婦は40代で橋本病と診断され、甲状腺に慢性の炎症が起こり、
徐々に甲状腺ホルモンの分泌が悪くなる病気だ。
約20年間甲状腺ホルモンを補う薬を飲んでいた。
一方、10年前、血液中のLDLコレステロール値が高いと診断された。
心筋梗塞や脳梗塞の予防の為、コレステロール値を下げるスタチンと呼ばれる薬の服用を始めた。

コレステロールを下げる薬をのんでも下がらない

薬に頼りたくないと油を変えたり、卵やチーズを控えたり工夫したが改善しなかった。
甲状腺ホルモンはLDLコレステロールが肝臓で吸収されるのを助ける役割がある。
そのため、甲状腺ホルモンが不足すると、血液中のLDLコレステロール値が上昇してしまう。
この主婦の診察をした橋本先生は、甲状腺治療薬の服用量が不十分な為、LDLコレステロールが上昇していると判断した。

筋肉の動きに関係する酵素である血液中のCPKという値が高い事も気になった。
スタチンを服用すると、筋肉を破壊する副作用がまれに起こることがあり、
CPK上昇はその可能性を示していた。
破壊された筋肉のたんぱく質が腎臓障害を引き起こす危険性もある。

橋本先生の説明に納得した主婦は、
甲状腺治療薬の服薬量を増やすと同時にスタチンの服用をやめた。
3ヵ月後、甲状腺ホルモンの値は改善し、LDLコレステロール値とCPK値も正常になった。

高コレステロールの1割は甲状腺機能低下

海外の研究では、コレステロールが高い患者の1割ぐらいは、甲状腺機能の低下が原因とされる。
甲状腺の異常を見落としたまま、スタチンを服用すると動脈硬化を進ませるという研究結果もある。
スタチンの服用前やスタチンの利きが悪かったり、むくみや便秘、疲労感などの症状を伴った利する場合は甲状腺の検査を受けて欲しい。

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