C型肝炎の新しい飲み薬の名前

C型肝炎の新しい飲み薬が昨年12月発売された。
従来の2つの薬と併せて飲めば、治療効果が上がるとともに、副作用も少ないのが特徴だ。別の新薬も開発中で、C型肝炎治療は大きく変化している。

C型肝炎とは?新しい飲み薬の名前

C型肝炎とは、血液を介したウイルスの感染で、肝臓の細胞が炎症を起こして壊れる病気だ。患者は約28万人で感染しているものの症状が出ていない人は約150万~200万人とも推定される。
放置すれば慢性肝炎になり、長い時間をかけて肝硬変、さらに肝がんになる恐れもある。肝がんの8割はC型肝炎とされている。

今回新たに登場したのはシメプレビルという飲み薬。
プロテアーゼと呼ばれるたんぱく質に働きかけ、ウイルスの増殖を抑える。
治療薬ペグインターフェロンの注射と抗ウイルスの飲み薬リバビリンの2つ併せて行う。

シメプレビルのウイルス消失率は89%

治験では初めて治療した人のウイルス消失率は89%で、シメプレビルを除いた2薬の57%を大幅に上回った。
同じ2薬の治療で一度ウイルスが消えた後に、再びウイルスが現われた人のケースでは、90%でウイルスが消えた。
さらにこの2薬によつ治療と比べると服用期間が半減する長所も有る。
もう一つの利点は副作用が確認されていない点だ。

2011年に発売された飲み薬テラプレビルは、従来の2薬との併用で治療効果は高く、治療期間も半減するもののの、腎機能の低下などの副作用が問題となった。
新薬による治療では、貧血や白血球の減少など、ペグインターフェロンとリバビリンによる副作用は残るが、シメプレビル特有の副作用は治験で確認されなかった。

使用条件がある

日本肝臓学会は昨年11月難治性でウイルス量が多い患者が始めて治療を受ける場合、年齢を問わず、新薬を第一選択とするよう治療指針を改めた。
それ以外のタイプでは新薬は使えない。
シメプレビルの治験責任者で関西労災病院(兵庫県尼崎市)病院長の林紀夫さんは、
これまでの治療で効果が十分でなかった患者に福音となる薬だと話す。
一方インターフェロンを併用しない治療薬の開発も進んでいる。

アメリカの製薬会社プリストル・マイヤーズは昨年10月、厚生労働省に2種類の新薬の製造販売承認を申請した。
いずれも特定の酵素の働きを抑える薬だ。
同社によると、副作用があるためインターフェロンを使えない患者と、過去に副作用で治療を中断した人を対象にこの2つの新薬を併用した治験で、ウイルスの消去率は87%だった。
これらの2薬は年内にも承認される見通しだ。

国の助成制度を利用すれば月額負担が1万円まで

高齢化とともに肝癌になるリスクはあがる。
将来の治療を待たず、今あるベストの治療を選択するべきだ。
C型肝炎は治療費が高額になることから、国の助成制度がある。
積極的な治療が肝癌の防止に繋がる。

昔、外科医はよく肝癌になった。
医者はお金持ちなのでお金使いが悪く、飲みに言ってばかりだからと言われていたが、
外科医が肝癌になるのは、手術でウイルス性肝炎に感染したせいだ。
今となっては、針刺しなどの対応で、労災が適応され、ビームゲンやヘブスブリンなどの注射があり、医療職者の感染は減っている。
癌の原因のひとつにウイルスが関係しているということがわかり、癌が予防できる確立が高くなってきた。