2度目が怖い脳震盪の見分け方。くも膜下出血、硬膜外血腫について
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脳神経外科、神経内科
脳震盪疑いでも即退場が、フィギュアスケート羽生結弦選手の事件を機に増えている。
頭部外傷は若い人ほど危険性が高まる。
特に脳震盪の場合は診断が難しく、疑われる場合には、プレーをやめさせるガイドラインを持つ競技団体が増えている。
疑いがある選手は、医療機関を受診後、症状がなくなってから24時間の絶対安静などをえて段階的に競技に復帰する。
このため完全復帰までに大人の場合は最短1週間、高校生では3週間、中学生では23日間のリハビリ期間を推奨する。
脳震盪の見分け方(1つでも当てはまれば脳震盪の疑い)
外見からの手がかり
- 放心状態、ぼんやりする、表情がうつろ
- 地面に横たわって動かない
- 起き上がるのに時間がかかる
- 足元がふらつく、バランス障害や転倒
- 意識消失または無反応
- 混乱、プレー中に起きたことを覚えていない
- 頭を抱える、つかむ
- 発作、けいれん
- より感情的に成る、普段よりいらいらしている
プレイヤーからの訴え
- 頭痛、めまい
- 意識混濁、混乱、動きが鈍くなったような感覚
- 視覚障害、吐き気、疲労
- 眠気や「霧の中」にいる感じで集中できない
- 頭が圧迫される感覚
- 光や音に敏感
プレイヤーへの質問
- 今日の試合会場はどこですか?
- 今は前半ですか?後半ですか?
- この試合で最後に得点したのは誰?
- 前回の試合の対戦相手は?
- 前回の試合は勝ちましたか?
2度目が危険、死亡率50%のセカンドインパクトシンドロームの可能性も
頭部外傷は連続して受けることでより深刻になることが知られている。
頭部外傷を受けた後、数週間以内に再び衝撃を受けた場合、それぞれが致命的な脳損傷ではなくても死亡に至ることがある、
致死率50%超のセカンドインパクトシンドロームなどの危険性がある。
2度目の衝撃により、脳に水が溜まる急性脳腫脹を起こした場合の死亡率は30~50%と高く、助かっても後遺症が出ることが多い。
脳を覆う硬膜の下に血が溜まる、急性硬膜外血腫を引き起こすケースもあります。
くも膜下出血の場合は、頭痛の後、発症初日の6時間以内に起こる可能性が高く、そう簡単に疑いのある選手を家に帰してもいけません。
スポーツ選手の場合、本人が「やる」と言う以上止めるのは難しいかもしれない。
しかし選手の命を守るためにどの競技団体も頭部外傷の危険性を知った上でガイドラインを設ける必要がある。
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