2時間で脳にステント。脳動脈瘤の新しい手術

脳動脈瘤は無症状なのが特徴。大きいと破裂する可能性も。
太い動脈なので破れると大量に出血。
脳の中に漏れるのがくも膜下出血。
死亡率が最も高いタイプ。
危険なものは破裂を防ぐ治療が勧められる。

去年の10月に保険適用になった新しい手術。
ステントを入れる。
やがてコブの中の血液が固まって破裂しなくなる。
フローダイバーター留置術。

脳動脈瘤で血管が破裂するくも膜下出血を予防

神戸市立医療センタ中央市民病院脳神経外科の坂井先生がNHKの今日の健康に登場。
男性より女性に多い。
若い人でも稀にある。
家族暦が関係。

小さいものなら一生破裂しないことがほとんど。
大きいほど破裂しやすく、5~7ミリ以上の形が不規則などの場合は専門医に相談。

従来の手術

クリッピング術
頭蓋骨を開けて脳動脈の根元をクリップで挟む
頭を切り開くので体の負担が大きい。

コイル塞栓術
カテーテルを足の付け根から脳に入れて、細い金属製のコイルをコブの中でふさぐ。
頭を切る必要はなく、完全にはふさがりにくい。

新しい手術

フローダイバーター留置術の対象は、
脳動脈瘤が1センチ以上でかつ入り口が4ミリ以上。
材料はプラチナタングステンとコバルトクロムでできている。
ニッケルチタンで出来ているものもある。
MRIの撮影が可能。

心臓の冠動脈のステントに比べると網目が細かい。
普通のステントは血管を広げるためだが、フローダイバーターは柔かく自由に曲がるようにできている。
脳動脈瘤に血液がいかなくなるようにするため細かい。

治療時間は30分で終わる

治療そのものは2時間。麻酔などをあわせると。
血液が動脈瘤のところにゆっくり入り停滞して血栓になり塊になる。
ステントの中に内皮細胞が発達し普通の血管のようになる。
6ヶ月で脳動脈瘤は完全に消える。

デメリットは完全にふさがるまで数ヶ月かかる

その間は破裂する可能性は残る。アメリカでは手術後7%に破裂したというデータも。
非常に目が細かい金属が多いので血栓ができやすい。脳梗塞の原因にも。
防ぐためには血をサラサラにする薬を飲む。
ただお薬には副作用がある。効く個人差がある。

実施している医療機関

1年間にクリッピング術 1万8000人
コイル塞栓術1万2000人の合計三万人が手術している。
その5~10%がフローダイバーター手術の適用と見られている。

  • 順天堂大学医学部附属病院
  • 虎ノ門病院
  • 京都大学医学部附属病院
  • 大阪医科大学附属病院
  • 神戸市立医療センター中央市民病院