CKD慢性腎臓病はたんぱく質制限で低栄養リスク

公開日: : 最終更新日:2019/07/23 腎臓内科

CKD慢性腎臓病の患者が一番不安に思うのは、腎機能の悪化で透析をしなければならなくなること。
透析導入を遅らせるには薬物治療だけでなく、食事の栄養管理が欠かせない。
日本腎臓学会の「CKD診療ガイド」では、塩分1日6グラム未満を目標にしているほか、たんぱく質やカリウムの取りすぎやリンの多い食事を避けるよう呼びかけている。

ただ、バイエル薬品(大阪市北区)が患者(ステージ4か5)173人を対象に行った意識調査では透析導入を遅らせる為、塩分制限には73%が取り組んでいたが、たんぱく質制限は45%、カリウム制限は36%と塩分以外では実施率が低かった。

たんぱく質の過剰摂取は腎臓の糸球体に負荷をかけ
川崎医科大学付属病院栄養部の市川和子部長は「たんぱく質の過剰摂取は腎臓の糸球体に負荷をかけ、取りすぎの状態が長時間続くと腎臓の機能が低下する。
またカリウム摂取が多いと高カリウム血症のリスクが高まる。腎臓にダメージを与えない為には塩分だけでなく、他の栄養素も普段の食事でコントロールすることが大事」と指摘する。

たんぱく質制限で低栄養のリスク

また体内にリンが溜まる「高リン血症」は生命予後が悪く、心疾患のリスクが高いほか、腎機能悪化の進行速度を速めることが報告されている。このため、腎臓専門医の間でリンの管理をどうするかは大きな課題となっている。ただ、同調査でリンが多く含まれる食材について聞いたところ、約3割が知らなかったと回答。高リン血症についても約半数がしらなかった。

東京大学医学部付属病院腎疾患総合医療学講座の、花房特任准教授は「専門医以外は高リン血症への関心が高くないのが現状で、患者にもリン制限について伝わっていないようだ。生命予後の改善と末期腎不全への進行を予防するため、食事からのリン負荷を減らすようにしてほしい」。

リンはたんぱく質を多く含む食物に多いため、これまで「たんぱく質制限=リン制限」と考えられてきた。
しかし、たんぱく質は必要以上に制限すると低栄養となるリスクがある。必要なたんぱく質量を確保しながらリンを減らすには、リンを多く含むたんぱく質食品を避けるなどの工夫もいる。
リン含有量の多い食品は、チーズ、牛乳、ししゃも、ナッツ豆類、ファーストフード、インスタント食品、スナック菓子、ハム、魚肉ソーセージ、かまぼこなど。

市川部長は、「御節につきもののかまぼこ、伊達巻、ハムなどはリンが多いので要注意。ただご馳走がすべて駄目だと言うわけではなく、治療用特殊食品やリン吸収薬などを利用するのもいい。何をどう制限するかわからない人は管理栄養士に相談してみてほしい」とアドバイスしている。

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