月1回しか通院しなくていい透析、ハイブリッド透析

公開日: : 腎臓内科

大分市の78歳男性は現在2種類の透析治療を併用している。
自宅でほぼ毎日行う腹膜透析という治療を基本に週1回だけは通院して一般的な血液透析を受ける。
元銀行員の男性は定年を迎える少し前から腎機能が低下し始めた。
64歳で透析を始めたときに選んだのが腹膜透析だった。

腹膜透析とは?残っている腎機能を長く保てる

腹膜透析は、内臓や腹壁を覆う腹膜の中に透析液を24時間いれておき、腹膜の血管から染み出た毒素を吸収させる方法。1日3~4回、腹部に埋め込んだ管を通じて透析液を入れ替える。
自分でできるので通院は月1回でいい。
まだ残っている腎機能を長く保てるのも腹膜透析の長所だ。

ただし時間の経過とともに透析効率が低下したり、腹膜が癒着したりするため、治療期間は数年が限界とされる。
国内の透析療法は、血液透析が97%で、腹膜透析はわずか3%です。
男性はどちらにするか迷ったが、大分大病院(温泉の町、大分県湯布院にある)で紹介された腹膜透析の経験者に、数年で血液透析になるかもしれないが、痛みがないのがいいと聞いて選んだ。

腹膜透析と血液透析の併用療法、いわゆるハイブリッド透析

10年ほど腹膜透析は順調だったが、2009年に腎臓癌の手術を受けた為、一時的に血液透析になった。退院後主治医である同病院の血液浄化センター医師の友先生に勧められ
始めたのが、腹膜透析と血液透析の併用療法、いわゆるハイブリッド透析だった。
治療は現在も順調に続いており、知人と打つ囲碁が楽しみと語る。

併用療法は2010年4月から保険で認められうようになり、日本透析医学会の調べによると、全国の腹膜透析患者約9500人中、約2割に当る約2000人が受けている。
透析にかかる費用の自己負担は透析の種類に関係なく公的な助成制度により多くても月1万円か2万円ですむ。

かなり早くから腹膜透析では十分に毒素が取れないなら、柔軟に考えて血液透析もやればいいと併用を試みていたが、他の透析専門医から血液透析を併用したら、腎機能を保つ腹膜透析の長所が失われるとの声もあった。
しかし研究が進むにつれ、併用しても腎機能に悪影響はなく、患者の体調も良好なことがわかってきた。
また、週1回の血液透析の翌日は腹膜透析も含めて完全に治療を完全に休める。

腹膜透析の効率が次第に落ちるのは、24時間透析によって腹膜が劣化してしまう為だが、併用して腹膜を休める事によって劣化を抑えられる可能性もある。
以前は腹膜透析の効率が落ちたら併用療法に移行と考えていたが、今は最初から併用してもいい。

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