ステロイド1日2.5㎎以上で骨折の確率が1.7倍以上になる

加齢や閉経などにより骨がもろくなる骨粗鬆症はリウマチなどの治療でステロイド(副腎皮質ホルモン)内服薬を長期間使うことでも起こる。
関連学会は病気の進行や悪化を抑えるための診療指針を10年ぶりに改定した。

骨粗鬆症の診断

骨粗鬆症は骨芽細胞が骨を作る「骨形成」によりも、破骨細胞が古い骨を溶かす「骨吸収」が上回ることで骨がスカスカな状態になり、骨折しやすくなる病気だ。
閉経後の女性はホルモンの減少で発症しやすい。
骨のカルシウム量を示す骨密度が、若年成人(20歳~44歳)の平均値の7割未満の場合などに診断される。

ステロイド薬による骨折の危険性

加齢や閉経ではなく、関節リウマチや潰瘍性大腸炎などの治療に使うステロイド薬で起こるのが、「ステロイド性骨粗鬆症」だ。
ステロイド薬は、骨芽細胞の機能低下を招く上、腸管からのカルシウムの吸収を抑え、腎臓からのカルシウム排泄も促がす為と考えられている。

治療で必要なステロイド薬は、体重1キロあたり0.1mg以上とされているが、
大腿骨の付け根(頚部)を骨折する危険性が、1日2.5㎎以上で1.77倍、
7.5㎎以上で2.27倍高まるという研究報告も有る。

このため、日本骨代謝学会は2004年、ステロイド性骨粗鬆症の診療指針を作り、骨密度を測定するなどして治療開始を判断すると定めた。
だが、指針は医療現場で十分に浸透していない。

骨粗鬆症の治療指針がある

新指針は04年度版と同様、ステロイド内服薬を3ヶ月以上使用中、
または使う予定の18歳以上の患者が対象。
国内の複数の臨床研究から計1000人以上の患者データを解析し、骨折経験、年齢、ステロイド投与量、骨密度の4項目を危険因子として点数化。
骨折経験がある(7点)
65歳以上(4点)
などを定め、合計3点以上で薬物利用を始める目安とした。

寝たきりの原因の一つを潰せるなら治療も…

高齢者の骨折は寝たきりになる可能性が非常に高く、高齢者の今後の人生の質に大きく左右する。
大腿骨頚部骨折は、寝たきりの大きな原因になるもので、足と骨盤の間の股関節が骨折するもので、人工骨に置き換えたりなんかして、1ヶ月の入院が必要。
かなり体力も低下します。
これを予防できるとすると、高齢者の骨粗鬆症治療は必要不可欠なのかもしれません。
通院は面倒ですがね。