精神安定剤の副作用で甲状腺機能低下症

公開日: : 最終更新日:2016/05/01 読売新聞、産経新聞の医療欄

甲状腺が炎症を起す橋本病と昨年8月に診断された大阪府の主婦63歳は、
関西医大枚方病院に通院し、甲状腺ホルモン検査を受けながら様子を見ていた。
今年の4月に半年振りに受けた検査で甲状腺ホルモンの値が低下していた。

橋本病で甲状腺機能低下、他の薬の副作用

主婦は振り返ると、日課の散歩や体操がおっくうになるなどのヤル気の低下など
甲状腺機能低下による症状が現れていた。
短期間での急激な変化は橋本病の進行とは考えられにくい。
内分泌代謝性疾患科教授の西川先生は何らかの薬の副作用を疑った。

主婦に尋ねると、今年1月近所の心療内科のクリニックで精神安定剤の炭酸リチウム、
商品名リーマスを処方されていた。
リチウムは甲状腺に取り込まれ、甲状腺ホルモンの分泌を妨げる。
服用者の1割に甲状腺機能低下症が起こるとされている。

西川先生の支持で主婦葉すぐにこの薬を飲むのを辞めた。
今年の7月の検査では低下していた甲状腺ホルモンの値は正常に戻り体のだるさも無くなった。
炭酸リチウム、リーマスには副作用があるからと医師から注意されなかったと話す。

甲状腺への副作用がある主な薬や食品

甲状腺機能低下

炭酸リチウム、ヨードを含む食品や薬。根昆布、うがい薬、造影剤。

甲状腺中毒

ホルモン剤のゴセレリンやリュープロレリン

甲状腺機能低下、中毒のいずれも起こす可能性がある

肝炎や癌に使うインターフェロン製剤、抗がん剤スニチニブ、抗不整脈薬のアミオダロン

様々な薬の副作用で甲状腺の働きに異常が起きる。
炭酸リチウムのほか、肝炎治療薬のインターフェロン製剤、腎細胞癌などの治療で使う、
分子標的薬のスニチニブ(商品名スーテント)などがある。
処方以外でも甲状腺に影響を与える薬がある。
例えばヨードを含む市販のうがい薬。

主に昆布など食品から接種されるヨードは甲状腺ホルモンを分泌する材料となる。
しかしヨードを取りすぎると逆に甲状腺の働きを弱めてホルモン分泌が減る。
そのためうがい薬を毎日使うと甲状腺機能が低下することがある。

チラーヂン

甲状腺の病気を持つ患者に注意が必要な薬もある。
貧血治療で使う鉄剤や胃薬などとして使う炭酸カルシウムと水酸化アルミニウムゲルは、
甲状腺ホルモン製剤(商品名チラーヂンSなど)の効き目を悪くするので一緒に飲むのは避けたい。

西川先生は、副作用が現れてもその薬が治療上必要なら同時に甲状腺の治療を行うことで、
薬をやめずに住むケースもあると指摘している。

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