胃がん胃切除後の痩せ グレリン消化管ホルモン

公開日: : 最終更新日:2014/07/15 消化器内科

胃を切除した人の後遺症対策、消化管ホルモン「グレリン」が大きく欠乏し、
食欲減退や体重減少などの後遺症を起こしやすくなる。
消化酵素薬や栄養補助食品などをとり、運動を組み合わせて改善する。

グレリンが作用する流れ

脳の視床下部から、
食欲増進、消化吸収、栄養代謝、エネルギーの保存
  ↓
胃からホルモンのグレリン
  ↓
下垂体 → 成長ホルモンの分泌



胃を切除した人の主な後遺症

おなら、やせ、疲れ、胃切除後ダンピング症候群、腹が鳴る、下痢

現在の悩み

後遺症、再発・転移、日常生活、他の病気、抗がん剤、仕事

病的な痩せを防ぐポイント

しっかりと噛み、少ない量で何度も食べる
小腸の消化を助ける消化酵素薬を食事と一緒に服用
流動食タイプの栄養補助食品を上手に活用
1日1回は適度な運動を行い、筋肉と骨の量を増やす。



体重減を消化酵素薬と運動で回復

日本の胃がんの診療水準は高く、6割は再発しないので比較的治る癌と位置付けられつつある。
一方、胃を切除した人の多くは様々な後遺症を抱えており、その一つが体重減少です。

後遺症の悩みの半数が体重減

胃がんの治療はごく早期では口からカメラを入れて癌を切除する内視鏡治療が可能だが、
標準的な治療法は胃の3分の2以上を切除する外科手術です。

胃を切除するとめまいや動悸といった、ダンピング症や、貧血などの後遺症が起こりやすい。
体重減少も多く、胃を全摘した患者の9割以上が5年たっても手術前の体重に戻らないとの報告もある。

グレリンが欠乏

東京慈恵医大教授の青木照明さんによると、胃を切除した後に体重が減るのは単に胃がちいさくなたからではない。
大きな要因は、胃での分泌が9割をしめるホルモン、グレリンの欠乏。
グレリンは脳下垂体から成長ホルモンの分泌や食欲増進、エネルギーの保存などを脳を通して施す司令塔。
最近の研究で脳を経由せずに直接、臓器に作用する可能性があることもわかってきた。

胃を切除すると、胃酸やペプシンなどの消化液も分泌されなくなり、
ともに働く膵液や胆汁などの消化液作用も急激に下がる。
下痢が頻繁になり、小腸での栄養吸収が妨げられる。
このため、筋力や骨量の低下などに繋がる「病的な痩せ」に陥る恐れがある。



筋力低下は禁物

予防には、唾液中の消化酵素を生かして小腸での吸収を助ける為、食べ物をよくかむことから勧める。
その上で胃が分泌していた消化液を補う消化酵素薬を医師に処方してもらい食事と一緒に服用する事が大切。

必要な栄養をバランスよく摂取できる流動食型の栄養補助食品も有効。
薬局で手に入る市販品もあり、積極的に活用したい。
また、術後の体力低下を心配して筋肉を十分に使わなければ筋力が落ちる。

すると骨の強さを維持するためにかかる負荷が減り、結果的に骨も弱ってしまう。
このため、最低でも1日1回は少し汗ばむ程度の運動を継続しよう。

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