胃がん手術後と胃全摘後に消化酵素薬がいい

公開日: : 最終更新日:2014/05/04 消化器内科

胃がん手術後、倦怠感や貧血など様々な後遺症に悩まされることがある。
65歳女性は1993年11月に胃の全摘術を受けた。
体重も一時は減っても戻るし、食事も徐々に食べられるようになりますと指導され1ヵ月後に退院した。
だが、食べものを1口飲み込んでも胸に詰まる感覚。

胃を取った後の悩み

消化液が逆流する逆流性食道炎に悩まされた。
仕事から帰宅すると、ぐったりして何もする気がわいてこない。
1年後には、体重は手術前から13キロも減り、43キロに落ちた。
主治医からは10キロほど体重が減るのは当たり前と説明されていたので諦めていた。

胃を切除した後の患者におきやすい体重減少には、
「グレリン」と呼ばれるホルモンの欠乏が関係している。
グレリンは胃での分泌量が9割以上を占め、食欲増進などを促がす。

胃を失うと、グレリンだけでなく、胃酸やペプシンなどの消化液も分泌されなくなる。
また、グレリンは様々な消化液分泌の司令塔になっているので、膵液や胆汁などの消化液の作用も急激に低下する。
未消化の食物が、そのまま落下することで小腸の過剰な収縮などを招き、下痢が起き易くなる。
小腸でのたんぱく質やカルシウムなどの栄養吸収も不十分となり、筋力や骨量の低下などにも繋がる。

胃を切った後の主な後遺症

  • 逆流性食道炎
  • ダンピング症候群(めまい頭痛動悸など)
  • 貧血
  • 栄養障害
  • 骨粗鬆症
  • 体重減少

肝機能が低下しており、貧血、骨粗鬆症が判明

この主婦も退院後からずっと食後の下痢が続き、手術から10年あまりたつと、全身の疲れがひどくなった。
趣味の町歩きに参加しても足が重く、仲間についていけなくなった。

08年夏に、汐留みらいクリニック(しおどめみらいくりにっく)を受診。
慈恵医大客員教授の青木照明先生が診察すると、肝機能が低下しており、貧血、骨粗鬆症もわかった。
胃の全摘後に栄養の吸収がうまくいかず、肝機能の低下を引き起こしたと考えられる。

消化酵素薬や貧血や骨粗鬆症で改善

主婦は消化酵素薬や貧血や骨粗鬆症を治療する為のビタミンB群やビタミンKなどの薬も処方され、下痢、食後のむかつき、体のだるさが徐々になくなった。
手術前に好きだった、肉料理やてんぷらなどもようやく食べれるようになり、体重も2~3キロ増え、これから毎年海外旅行を楽しみたいと喜ぶ。
胃を全摘したら医師に消化酵素薬(エクセラーゼなど)を処方してもらうべきだと話す。

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