GISTという病気の治療法は手術。腸間膜、大網、腹膜、胸膜からも発生する

公開日: : 消化器内科

68歳の女性です。
左卵巣に10センチの腫瘍ができ、7ヶ月前に左右卵巣と卵管・子宮全摘術を受けました。
腫瘍は骨盤に食い込んでおり、肝臓表面に浸潤が見られました。
手術後GIST(消化管間質腫瘍)と病理診断されましたがどんな病気でしょうか?

GISTはこんな病気、卵巣腫瘍で手術後のGISTの病理診断

GISTは胃腸の壁を構成する細胞から発生する悪性腫瘍で、10万人に1~2人の発症頻度です。
食道、大腸からも発生しますが胃と小腸からが大部分です。
消化管以外を発生母地とする腫瘍で、GISTと顕微鏡的な顔つきが似ていて、遺伝子異常によるKIT蛋白が認められると、消化管外GISTと診断されます。
胃粘膜下腫瘍SMTとGISTの違い

腸間膜、大網、腹膜、胸膜からの発生例が報告されていますが、卵巣原発のGISTは天文学的に稀です。
今回の場合、卵巣原発と確定してよいか否か、複数の病理医の診断が必須だと思います。

分子標的薬イマチニブを1日400ミリグラム内服し、半年間治療しています。
味覚異常や下半身の湿疹など副作用がつらいですが続けるべきでしょうか?

GISTは増殖能力が活発で通常に用いる抗がん剤や放射線に反応し難いので手術が唯一の治療法と考えられます。
イマチニブはKIT蛋白が強く発現していれば、この作用を阻害することで効果を発揮する小分子の分子標的薬です。
通常の抗がん剤のような強い吐き気などは認めませんが、その作用点は広範囲に及ぶ為、数ヶ月以上の内服を続けると皮膚や粘膜の多彩な異常が生じます。
味覚異常もそのひとつと思います。

画像検査で再発が明らかでないならば、1日200グラムに減量してさらに半年服用するのはいかがでしょう。
骨盤内の腹膜や肝臓にGISTの遺残が考えられる為、イマニチブをいつやめるのがいいかの判断は慎重に考えます。
半年後に画像検査を行い、改めて判断すべきかと思います。

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